日本産の蜂の子
蜂の子は日本の歴史の中で食としての重要性も大きく変化し、その栄養豊富な存在として再評価されている現代では、希少価値の高い高級珍味となっています。今回は、日本の蜂の子の歴史や今後の食品としての蜂の子についてご説明します。
日本の蜂の子の歴史
蜂の子は古くから山間地域の貴重なタンパク源として食用にされていました。記録に残っているのは江戸時代以降ですが、庶民が普段の食事として多くの昆虫を食べており、蜂の子もその食材の一つでした。大正時代の全国的なアンケート調査では、55種類の昆虫が一般的な食材として食卓に上っていました。時代が下り徐々に昆虫食が薄れる中、第2次世界大戦中の食糧難の時代に救荒食として昆虫食が盛んになりましたが、戦後急速に昆虫や蜂の子の需要は衰えます。交通機関の発達や経済の発展に伴い、豊富な食材が手に入るようになると、昆虫食はゲテモノ食いとして衰退し、山間地域の郷土料理として残るだけとなりました。近年、蜂の子の豊富な栄養が見直され需要が高まってきていますが、蜂の生息環境はすでに破壊されているため、不足する分は輸入に頼る状況となっています。
高級珍味となった蜂の子
以前はゲテモノ食いと言われ、地方の郷土料理として残っていた蜂の子は、需要が増えてもすぐに増産できるものではありません。地方の需要を賄うだけしか採取できていませんでしたので、希少価値の高い嗜好品、高級珍味となっています。世界中で採取されていますので輸入品もありますが、衛生面などの品質への信頼性の高さは日本産の蜂の子に及ぶものはありません。
蜂の子の増産への取り組み
日本産の蜂ん子の増産に向けての取り組みは、各産地の自治体や愛好家などによって行われています。蜂の生育できる自然環境の整備、親蜂の養殖・育成活動、安定供給のための採取後の養殖など、取り組み方は様々です。蜂の子は自然環境が生み出すものですから、高まる需要に応える供給ができるようになるまでは、まだまだ時間がかかります。
日本産の蜂の子は高級珍味となり、普段の食事に気軽に取り入れるのは難しいものです。蜂の子の栄養を気軽に摂れるサプリなどを利用してみてはいかがでしょうか。